2025/05/18 14:28

編集学校の物語編集術を学んだ後、葬儀社詐欺にあった事を『祖母の糠床』という物語に書いた。今思えば悔しかったんだと思う。県警に連絡したけれど、ちゃんと取り合ってもらえず弁護士に相談した。平たく言って、そのことを言語化することで幾分かの溜飲はさがったが、書いた当時は「そんなことないよね」「うそつき」などと言われた。当時のSNSは、今と比べれば、まだそんなにヒドイ場所ではなかったのだが。 
それから20年近く経って、葬儀社と、そこと癒着していた警察官が捕まった。その日のトップニュースだった。うちの事件はもう時効だけれど、その後も同じような詐欺を繰り返していたらしく逮捕できたのは最近の事件ではなかったかと思う。
先日クラス会SNSが出来て、そこで警察官の家族の方がスゴく謝っていた。イヤイヤ、悪人はその詐欺の当事者だけで、警察全体が悪いわけではないので恐縮してしまった。クラス会の彼女は執行猶予が付いたことを憤慨していた。
そんなことを思い出していたら新聞にドミニク・チェンさんのSNS論が出ていたので、校長とドミニク・チェンさんの対談『謎床』を読み返した。2017年当時私は論文と大学受験で、一般の本を読む暇がなく、校長の本もちゃんと目を通していなかった。
松岡校長は対談の中で、ドミニクさんに沢山ヒントを出している。本のなかの確定記述的な認識についての考察はとても参考になる。
私は校長が文中で解説している「カオスのふちのようなもの発見する」ほうに舵をきり、論文で揺らぎと共に記述して、図形配置を動かす仕組みの下準備を始めた。